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第 2 章 タイプセッティングの調整 9

2.5 数学関連機能の調整

1. 文書にendnotesパッケージを追加します.

2. タイプセットメニューからプリアンブルを選択し,入力ボックスの適当な場所をクリックし ます.

3. 一番下に新たな行を追加して次のコマンドを入力します.

\renewcommand{\footnote}{\endnote}

4. OKボタンをクリックします.

5. エンドノートを次のように作成します:

(a)文書の最後にカーソルを位置付けます.

(b)カプセル化したTEXフィールドを挿入します.

(c)改ページしてエンドノートを表示したい場合は,\newpageと入力してenterキーを 押します.

(d\begingroupと入力しenterキーを押します.

(e)エンドノートを小さ目のフォントではなく普通のサイズのフォントで作成する場合は, 次のコマンドを入力してenterキーを押します.

\renewcommand{\enotesize}{\normalsize}

(f)目次にエンドノートを表示したい場合は次のコマンドを入力してenterキーを押し ます.

\addcontentsline{toc}{section}{Notes}

(g)次に\theendnotesとしてenterキーを押します.

(h)最後に\endgroupと入力しOKボタンをクリックします.

2.5 数学関連機能の調整

SWP,SWLATEX機能と連動する形で,数式に関する詳細な様式設定機能を提供します. ログラムとともに提供されるシェルは,多様な出版ニーズに対応できる数式タイプセットを実現す べく設計されてきました. それでもなお,さらなる調整が要求される場合があります.

2.5.1 定理の番号を変更する

定 理 環 境 や そ れ に 類 す る 環 境 の 番 号 は, 文 書 全 体 を 通 し て 連 番 を 付 け る 場 合(Theorem 1, Corollary 2, Lemma 3, Theorem 4, ....もあれば環境ごとに独立した番号を付ける場合(Theorem 1, Corollary 1, Lemma 1, Theorem 2, ....)もあります. 通常番号付けの方法は\newtheorem テートメントで規定されます. この\newtheoremコマンドのシンタックスには2種類あります. 第1の形式は

\newtheorem{counter}[counter basis]{counter title}

です. ここにcounterは番号付けする環境(theorem, corollary, lemmaなど)を,counter basis はカウンタのソースを,counter titleは環境に対するラベルを表しています. 第2の形式は

\newtheorem{counter}{counter title}[numbered within]

です. ここにcounter は番号付けする環境(theorem, corollary, lemmaなど)を,counter title は環境に対するラベルを,numbered withinは既存のカウンタ名(通常は部や章や節といった区 分に対応するもの)を表します. この形式については47ページに記述します.

定理に類する環境を含む文書では,通常それらは定理環境を基盤に採番されます. 従ってプリア ンブル中に以下のような一連のステートメント(第1の形式)が設定されることがしばしばあり ます.

\newtheorem{theorem}{Theorem}

\newtheorem{algorithm}[theorem]{Algorithm}

\newtheorem{axiom}[theorem]{Axiom}

\newtheorem{condition}[theorem]{Condition}

\newtheorem{conjecture}[theorem]{Conjecture}

\newtheorem{corollary}[theorem]{Corollary}

...

最初 のス テー ト メン トで 定 理(theorem)用に独 立 した 番号 付 けの 方法 が 設定 され た 後,それ に 続くステートメントでは定理用のカウンタがベースとして使用されています. 従ってこれらのス テートメントは,種々の定理型環境を通して単一の採番スキーム(例えばTheorem 1, Theorem 2, Conjecture 3, Theorem 4, Conjecture 5, ....)を設定することになります.

通常これらの\newtheoremステートメントはプリアンブル中に設定されます. ですから番号付 けの方式を変更する場合はプリアンブルを編集します. しかし時には\newtheoremステートメン トがシェルのタイプセット仕様に含まれている場合があります. そのようなケースでは別のシェル を利用するしかありません. 以下で説明する手法はすべて\newtheoremステートメントがプリア ンブル中に設定されている場合のみに適用されます.

定理環境用に独立した番号を設定する

種々の定理環境ごとに独立した番号付けを行いたい場合には,プリアンブル中の\newtheorem ステートメントを編集します. 具体的にはコマンド中のcounter basisという引数を除去するか別 の設定に変えることで種々の採番スキームが規定できます.

◮定理環境ごとに独立した番号を付ける

1. タイプセットメニューからプリアンブルを選択し,入力ボックスの適当な場所をクリックし ます.

2. ダイアログをスクロールして変更したい\newtheoremステートメントをみつけます. 3. コマンドから引数[counter basis]を除去します.

4. OKボタンをクリックします.

従って引数[counter basis]を除去した次のステートメントは互いに独立した番号の体系を 有する定理型環境を生成します.

\newtheorem{theorem}{Theorem}

\newtheorem{algorithm}{Algorithm}

\newtheorem{axiom}{Axiom}

2.5 数学関連機能の調整 47

\newtheorem{condition}{Condition}

\newtheorem{conjecture}{Conjecture}

\newtheorem{corollary}{Corollary}

...

例えばTheorem 1, Theorem 2, Conjecture 1, Theorem 3, Conjecture 2, .... といった並び方と なります.

章や節ごとに定理環境のカウンタをリセットする

定理型環境に対し文書全体をカバーする通し番号を振るのではなく,章や節の切れ目で番号を1 に戻したいといったニーズも想定されます. このためには\newtheoremコマンドの第2の形式を 使用します. コマンドの形式は次の通りです.

\newtheorem{counter}{counter title}[numbered within]

ここでcounterは番号付けする環境(theorem, corollary, lemmaなど)を,counter titleは環境 に対するラベルを,numbered withinは既存のカウンタ名(通常は部や章や節といった区分に対 応するもの)を意味します. 引数numbered withinによってカウンタがいつ1にリセットされる かが決まります. 例えば

\newtheorem{conjecture}{Conjecture}[chapter]

とすると,個々の定理環境conjectureにはラベルConjectureが付され,その番号は章の中での連 番となります. 具体的にはConjecture 1.1, Conjecture 1.2, Conjecture 2.1, .... のような形にな ります. 先頭の数字は章の番号を,後ろの数字は章の中でのconjectureの番号を表します.

◮定理環境のカウンタをリセットする

1. タイプセットメニューからプリアンブルを選択し,入力ボックスの適当な場所をクリックし ます.

2. ダイアログをスクロールして変更したい\newtheoremステートメントをみつけます. 3. コマンドから引数[counter basis]を除去します.

4. コマンドの一番後ろに[numbered within]の引数を追加します. 5. OKボタンをクリックします.

従って,章ごとに定理型環境の番号をリセットしたい場合には,プリアンブルは次のような設定 となります.

\newtheorem{theorem}{Theorem}[chapter]

\newtheorem{algorithm}{Algorithm}[chapter]

\newtheorem{axiom}{Axiom}[chapter]

\newtheorem{condition}{Condition}[chapter]

\newtheorem{conjecture}{Conjecture}[chapter]

\newtheorem{corollary}{Corollary}[chapter]

...

結果として生成される番号のシーケンスは例えばTheorem 1.1, Theorem 1.2, Conjecture 1.1, Theorem 2.1, Conjecture 2.1, Theorem 2.2, .... のような形となります.

2.5.2 定理の様式を変更する

多くのタイプセット仕様は定理環境をイタリック(斜体)でタイプセットしますが,これを標準 的な書体(直立体)に変更することができます.

◮定理を標準の書体(直立体)でタイプセットする 1. 文書にtheoremパッケージを追加します.

2. タイプセットメニューからプリアンブルを選択し,入力ボックスの適当な場所をクリックし ます.

3. プ リ ア ン ブ ル の 先 頭,他 の\newtheoremス テ ー ト メ ン ト が 現 れ る 前 に 新 た な 行 を 設 定 し ます.

4. 定理環境のヘッダー用にLATEXが使用するフォントを変更する場合は

\theoremheaderfont{font}と入力します. ここでfontLATEXに使わせたいフォント ファミリ名を意味します.

\theoremheaderfontはグローバルなパラメータである関係から,この設定変更は文書全 体に及びます. このコマンドは1度しか使用できません. ただしfontで指定する値には組 合せが許されます. fontで指定できる値は次の通りです.

font フォントファミリー font フォントファミリー

\mdseries Medium Series \upshape Upright Shape

\bfseries Boldface Series \itshape Italic Shape

\rmfamily Roman Family \slshape Slanted Shape

\sffamily Sans Serif Family \scshape Small Caps Shape

\ttfamily Typewriter Family \normalfont Normal (document main text font)

なお,すべての組合せが許されるわけではありません. 不適切な組合せの場合にはLATEX 適切なフォントで置き換えます(警告メッセージが.logファイルに出力されます). 5. 定理環境の本文に使用するフォントを変更する場合には\theorembodyfont{font}と入力

します. ここでfontLATEXに使わせたいフォントファミリ名を意味します.

定理環境本文に直立タイプのフォントを使わせたい場合は\theorembodyfont{\upshape}

というコマンドも使えます..

6. OKボタンをクリックします.

Note これらの編集方法は定理環境がプリアンブル中に設定されている場合にのみ有効です.

2.5 数学関連機能の調整 49

2.5.3 数式の様式を調整する

しばしば長い数式は改行にかかわる問題を引き起こします. 一つの数式をペア括弧でくくるので はなく括弧を用いることにより,より柔軟な改行設定が可能となります. TEX括弧は左右単独で独 立したオブジェクトとみなされます. このためペア括弧の場合と異なり,中に含まれる数式が改行 不能な単位として扱われることが避けられます.

TEX括弧の場合,括弧の入力は左右別々にTEXフィールドを用いて行われます. コマンドの形 式は次の通りです:

\SizeLocationSymbol\

Sizeは括弧の高さを規定します.選択肢は次の通りです.

• ordinary –通常の括弧の大きさに対応します.

• big – ordinaryに比べると若干大きくなります.

• Big – bigよりも50%高さが高くなります.

• bigg – big2倍の高さとなります.

• Bigg – big2.5倍の高さとなります.

ペア括弧の場合と異なり,高さが自動的に変わることはありませんので,数式に合わせて適切なサ イズを選択することが肝要です.

Locationは左括弧か右括弧かの別を表します. これは括弧の前後でスペースをどう扱うべきか をTEXに知らしめるという点で重要な意味を持ちます.

• l –左括弧

• r –右括弧

Symbolは括弧の種別を表します.

Symbol Name Symbol Name

( left parenthesis \rangle right angle bracket

) right parenthesis / slash

[ or\lbrack left bracket \backslash reverse slash ] or\rbrack right bracket |or \vert vertical bar

\{or\lbrace left curly brace \|or\Vert double vertical bar

\}or\rbrace right curly brace \uparrow upward arrow

\lfloor left floor bracket \Uparrow double upward arrow

\rfloor right floor bracket \downarrow downward arrow

\lceil left ceiling bracket \Downarrow double downward arrow

\rceil right ceiling bracket \updownarrow up-and-down arrow

\langle left angle bracket \Updownarrow double up-and-down arrow

例えばコマンド\Bigl((

を,コマンド\Biggr] ]

を生成します.